
「このお客様、ガッチガチねぇ。」
「ね、ほんとに。はじめての人はすごいよね。」
ここは、大分県臼杵市の山の中にある小さな蓬蒸し専門サロン 蓬屋。
今日もお客様を蒸しながらHugエッセンスとHugコットンがおしゃべりをしています。
「心も体もこんなに冷えきっちゃって・・・がんばりやさんなのね。」
お客様の体を包み込んでいるHugコットンが優しさに満ちた声でそう言うと
「ね。でもすこしずつほどけてきたよ。」
蒸気となってお客様の全体を包み込んだHugエッセンスがほわほわ答えます。
「思考もガッチガチね。さっきから蜷川さんとの会話を聞いてて思ったんだけど、このお客様・・・『忙しくて』『自分には無理』って言葉が多いわねぇ。エッセンスさん、どう思う?」
「ね。コットンさんもそう思った?きっともう限界なんだろうね。だれかのためにいそがしくする毎日に。うーん、じゃあ今日はなんの歌にする?」
「あれにしようか。“自分に意識が向く歌”。でも“幸せになる許可が出せる歌”もいいよねぇ。」と、Hugコットン。
「うふふ。ね、じゃあふたつ歌おうよ。」嬉しそうにHugエッセンスが提案するとそれに応えるかのようにHugコットンが優しく歌い出しました。「今日もすばらしいね」Hugエッセンスもその歌声を包み込むようにメロディを重ねます。ドレミの音階では表せない宇宙の音。
すると「まってました」と、サロン全体も歌い始めました。
お客様に、どんどん沁みいっていきます。
しばらくすると
ポンッ。
「あ、咲いた。」Hugコットンが言いました。「このお客様、自分がこんなに美しいお花を隠してたなんて知らなかったのよねぇ。」
「ね。とってもきれーい。」歌いながらHugエッセンスが答えます。「みてみて、にながわさんも嬉しそう。お客様がポンッてひらいた瞬間、この人ほんとうに好きだよね。」
「蜷川さん、たまに本気でガッツポーズしてるもんねぇ。」わかるわ~とHugコットンも満足げ。「お客様が緩んだってことは蜷川さんのあれが始まるわよ。観念の書き換えのお話。私あの言葉何度聞いても好きなのよねぇ。」
それって、とHugエッセンスが聞きます。「もしかして『幸せをえらんでください』ってことば?」
「そう!」
「『自分を大切にしてください』って言われても、どう大切にしたらいいかが分からない人ばかりだもんねぇ。」Hugコットンの言葉にHugエッセンスが、うんうんと頷きながら晴れやかに答えます。
「ね。ほんとにそう。そして『幸せをえらんでください』って言われたときの、お客様の波動が変わる瞬間もいいよね。」
「うん!大好き!エッセンスさんもそう思う?でね、おうちに帰ってからもその軽い波動が続くのもいいよね。蜷川さんが“このサロンに居る間だけ癒されても自宅に帰れば元通り、では意味がない。お客様の世界が楽園にならなきゃ。”って、そう意識してるから尚更そうなるんだろうけど。」
「ね。」とHugエッセンスが言葉を続けます。「なにを意識するかはとってもたいせつだもん。Hugスチームで植物の振動エネルギーを浴びて軽い波動になると、同じ心地いい波長のことばがスッとはいるから考え方もやわらかくなるよね。」
「そうそう、温まってポンってなると素直になるのよねぇ。」大きくうんうんと頷くHugコットン。「あ、ほらお客様の波動がかわったよ。ことばが届いたのね。しあわせをえらんでいいんだって、じぶんに許可をだせたみたい。」
その声にHugエッセンスが嬉しさで更に輝きます。
「私」とHugコットンが言いました。「これだから蓬屋のお仕事がたまらなく好きなのよねぇ。乾燥機にガンガン入れられてもね。」うふふ、と笑いながらぼやきます。「この間何回乾燥機にかけられたか数えたら1000回を超してたのよ。それでもこの柔らかさと美しさを保っている私って本当にすごいと思うわ・・・。」そう言い終わらないうちにHugエッセンスがささやきました。「そろそろ時間みたい。」
来た時とは別人のように明るく内側から光っているお客様が背中を蒸しています。
「ほんとだ!じゃあそろそろ最後の仕上げにいきますか!」Hugコットンがそう答えると、Hugエッセンスと同時にお客様をさらに優しく包み込みました。
「どうか思い出して」
「あなたの感情は全て、ただただ光」
「あなたは、あなたの一番の味方でいてね」
―今日も蓬屋は楽園です。―
おわり
〇〇〇あとがき〇〇〇
はじめまして。蓬屋の蜷川(にながわ)と申します。ありがたいことに西村さんとのご縁でHugスチームを導入させて頂き2年半となります。
蓬蒸しも取り扱ってはいますが、お客様の開花はHugスチームが段違い。この2年半でどれだけのお客様が本来の自分に戻れたことでしょう。私自身も何百回となく自分蒸しをしてきてその効果は身を以て感じております。
私はよく「Hug‘s Team」ハグス・チームと脳内で変換しています。ハグエッセンスとハグコットンはもちろんですが、開発された西村代表や本部の方々の労力と想い、自分を大切にしたいというお客様の想い、そして私たちセラピストの想い。これら全てが“チーム”となるイメージがあるので、ついそう変換してしまいます。
私が西村さんに悩みを聞いてもらい「ありがとう」と伝えるたびに必ず彼女が言ってくれる「てぃーむだからね!」が、嬉しくてお気に入りだからというのも多大にありますが。
お互いを尊重しあえる関係のチーム。これからますます環が拡がりますように。
長文、さいごまでお読みいただきありがとうございました。
蓬屋
店主 蜷川崇予 拝